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[2011年6月号] 従業員代表大会条例と、給与問題

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 2010年秋に草案発表、同12月に公布、今年5月1日から施行開始となった「上海市従業員代表大会条例」。公布直後は、刺激的な表現の並ぶ条文の数々から上海市ではちょっとした騒ぎ(?)にもなっていました。しかし、施行日を過ぎた現在でも「従業員代表大会条例」にまつわる騒動の話は現地でも聞こえてきません。   

 しかし、検討が長引いている「賃金条例」の内容次第では、騒ぎが再燃するかもしれません。そこで今回は、「従業員代表大会とは何?」「工会とはどう違う?」等よく頂くご質問にご回答し、今後発生が危惧されている「中国給与問題」との絡みについてご説明します。

 

 さて、「従業員代表大会」とは何なのでしょう?賃金条例のウワサや、ストライキ騒動が冷めやらぬ最中に草案が発布されたこともあり、イメージが先行し過ぎていたかもしれません。
「従業員代表大会」は、会社が主導して開催するものではありません。会社側(経営層)も参加はできますが、あくまでもオブザーバーとしてのみ参加が認められています。つまり、「従業員代表団」という大多数VS「経営陣」という少人数日本人の「戦いの場」とは全く違う存在です。
 

 同条例で定めている会社側との直接交渉相手は、「工会」です。「工会」が「従業員代表大会」開催への下準備などを含めた取りまとめ役を担っているという風にお考えください。
「従業員代表」「同大会」「工会」などの登場人物の役割を国家組織になぞらえてみると、全体像がイメージしやすいでしょう。

○ 従業員・・・・・・・国民
○ 従業員代表・・・・・議員
○ 従業員代表大会・・・議会
○ 工会・・・・・・・・官僚(お役人)
○ 会社・・・・・・・・内閣(行政の責任者)
※あくまでも「例え」ですので「議会で立法を行う」というものではありません。ご安心を。
 

 またあまり知られていないようですが、「議会」である「従業員代表大会」において、最も影響力の強い「審議通過」を経なければならない事項で外資系企業が影響を受けることは、「1つ」です。それが、集団契約締結(日本の労働協約に相当)の場合です。
「給与制度」や「収益配分方法」に対しても「審議通過」まで課せられているのは、「国有企業」や「事業単位(政府機関の外郭団体)」に対してのみ、です。外資系企業における「給与調整」は、「従業員代表大会」での「審議」事項とし、議会を「通過」することまでは規定されていません。

 

 だからと言って「完全に安心」できるものではありません。
この「給与調整」が、具体的にどのような内容になるのか?何をどこまでやらなければならないのか?などは「上海市従業員代表大会条例」には何も規定されていません。
詳細については、「賃金条例」の公布を待つしかありませんが、この「賃金条例」は、未だに全貌が明らかになっていません。昨年8月に「賃金条例草案、国務院に提出」というニュースが流れましたが、現時点(2011年5月)ではまだ何も動きがありません。草案内容についても、徹底したかん口令が敷かれ、内容の一端しか垣間見ることができません。


 ただ、各方面の情報を総合してみると、何らかの形で「給与の団体交渉」は認められる方向になるのではないか、と言われています。中国給与を調べれば調べるほど明かになるいびつな構造を知れば、それもやむなし、と思われます。「上海市従業員代表大会条例」にみられるように外資系企業に対してまで、法律で厳しく強制するようなことは考え難いとも思われます。しかし、「法律で強制されていないから何もしない」では済みません。彼らの置かれている生活の現状を知る必要があります。実際大きなニュースにはなっていませんが、2011年に入ってからも各地でストライキが頻発しています。
中国の給与問題は「法律対策」ではなく、むしろ従業員への「感情対策」と考えるべきかもしれません。ぜひ、「彼らの声」に耳を傾けてあげてください。
 

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