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ニューズレター 【中国人事労務通信 】

【2017年5月】中国個人所得税制度の改革について

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 先日閉幕した中国全人代では、中国財務部部長が個人所得税制度改革の方針と進捗
状況を発表しました。現行税制度では、富裕層の方が逆に納税が少ないことや、個人
所得の免税金額が実際の物価水準に合致しないことなど、多くの不備が指摘されてき
ました。
個人所得税制は個々の国民の生活に緊密に関連するため、今回の全人代での発表は
注目されています。

 

●現行制度の状態:
  現在の個人所得税制は、2011年に改定されたものです。2011年の改定では、
 免税金額を従来の2,000元から3,500元に引き上げ、納税率の累進等級が従来の9等
 級から、7等級に改定されました。
  2011年の税制改革では、低所得層の負担を軽減し、高所得層により多くの税金
 を負担してもらうために行われたが、国民の納税意識の欠如や、高所得層の収入源
 の多様化などの中国社会の実情があり、結局税負担は中低所得層の一般労働者に
 集中してきました。

 

●税制改革の方針:
  今回の個人所得税改革の焦点は、主に以下の3つに集中されています。
  ①年末所得調整制の導入
   現行制度では、毎月の収入を対象とし、個人所得税を徴収してきました。月次
   収入に対する調整は、せいぜい業績賞与支給時の税額計算ぐらいでした。今回
   の改革で、当年度に発生する各種所得を、年末に合算し、税金調整を行う制度
   を導入する事が検討されています。


  ②控除制度の導入
   今までの中国個人所得税制には、必要経費の控除制度がなく、家族に介護が
   必要な老人が居ても、税金は変わりません。実際生活が困難な国民の負担を
   軽減するために、今回の改革では必要経費の控除制度の導入が検討されてい
   ます。 
また、控除制度を導入し、二人目の子の出産を促進する目的もあり
   ます。


  ③免税金額の引き上げ
   現行制度では、個人所得税の免税額は3,500元と設定されています。この金額
   では、現在の物価水準で生活維持できないと指摘され、免税額の引き上げが検
   討されています。

 

●日系企業に対する影響:
  企業にとって、今回の個人所得税制度の改革は煩雑な手続きを強いられること
 が想定されます。さらに、一部手取給与を約束する日系企業は、より面倒な処理が
 必要
となります。特に、免税額が引き上げられる場合、本来税金分は会社が負担す
 るため、個人所得税の増減があっても従業員の手取給与が変わりません。ただし、
 従業員側から自分の税金が免除されたため、その分は給与として支給すべきと主張
 してくる可能性が高くなります。手取給与を約束する企業に対し、今回を機にグロ
 ス給与制度の導入をお薦めします。

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