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ニューズレター 【中国人事労務通信 】

【2018年7月】退職の際引き継ぎをしない従業員について

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1 退職の際引き継ぎをしない従業員

日本・中国を問わず、退職の際引き継ぎをしない従業員は存在します。

退職を決めれば、現在の雇い主である会社から賃金をもらうことはなくなりますので、これまでの溜まっていた不満を表に出し、退職の際に引き継ぎをしないことで会社に嫌がらせをします。

中国の場合は、より深刻な事例が多く、「書類を隠す」、「データを消去する」、「関連書類を社外に持ち出す」等積極的な加害行為をおこなう場合もあります。

 

2 対策

(1)引き継ぎをしない場合、経済補償金を支払わない

経済補償金を支払うような事例の場合、退職合意書に「引き継ぎを終了した後に経済補償金を支払う」旨の条項を入れることは有効です。実務上もよく行われており、法律上(劳动合同法第五十条)も有効です。

私は日系企業の事業所移転やリストラ、清算等でこのような退職合意書締結に立ち会ってきましたが、退職自体に真に納得していない方でも、このような約束を交わせばきちんと引き継ぎを行います。ただ、経済補償金を支払わない事例ではこの手法を使うことはできません。

 

(2)損害額を給料から控除する

退職の際の引き継ぎが不十分で顧客からクレームが来て受注が出来なくなった」等の相談を受けることがあります。法律上、会社は従業員に損害賠償請求をすることは可能で、賃金の総額20パーセントまで損害額を控除することができます(工支付定十六条,上海市企支付法第二十二条)。ただし、本当に従業員の故意・過失で損害が生じたのかが争われた場合は、会社が立証しなければならなくなります。これらの立証に失敗した場合は、賃金の未払いがあったとして逆に経済補償金が発生してしまいます(劳动合同法第四十六条)。そのため、あまりお勧めできません。

 

(3)引き継ぎボーナスを支払う

中国企業の中には引き継ぎボーナス(「完善金」)を設定し、退職の際、引き継ぎ終了時に引き継ぎボーナスを支払う事例もあるそうです。日系企業では聞いたことがありませんが、一つの方法かもしれません。ただし、一度設定してしまうと先例になりますので、今後も退職時には支払わないといけなくなります。

 

(4)引き継ぎがなされなくとも良い体制を作る

 

仮に従業員が引き継ぎを意図的に行わない場合であっても、他の従業員や会社に共有してある情報を元に業務が継続できるような体制を作るべきです。性悪説に立つわけではありませんが、特定の人間にのみ情報が集まったり、業務プロセスがブラックボックスにならないように心がける必要があります。


 

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