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ニューズレター 【JPマイツ通信】

【2020年6月】新型コロナウィルスに関連する 一時帰国中の中国駐在者の個人所得税

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202035月号のJPマイツ通信[i]の通り、「有効な中国ビザ、居留許可を有する外国人の入国の暫定的停止に関する公告」[ii]により、2020328日以降、現行の有効なビザと居住許可を有する外国人の中国への入国が暫定的に停止されています。また現時点では、(東京・大阪・名古屋の)中国ビザ申請サービスセンタ-においてもビザ発給の業務を一時停止しており、相応数の駐在員及び帯同家族が再入国できない状態です。

  この為、一時帰国中の駐在員の日本滞在の長期化に伴い、駐在員給与の課税関係が問題になります。以下ケース毎に留意事項を検討します。

 

以下は規定上の説明につき、実務対応時には、個別にご判断・ご確認いただきますよう、くれぐれもご留意ください

            

    ケース1:中国現地法人勤務 ~16月:日本にて現地法人業務(専任)を遂行、6月以降:中国に再着任~

 

16月下旬

6月下旬‐12

備考

居住地

日本

中国

中国:居住者
日本:非居住者

給与支払い(現法)

中国

同左

納税

義務

中国

中国にて課税

同左

 

【留意事項】16月、日本において中国現地法人の為に、テレワークなどを実施している場合を想定。

         

 

上記の駐在員[iii]は、あくまでも出張・休暇として中国国外において中国の業務に従事し、日本滞在中も中国現地法人の為業務を遂行している為、額を中国国内源泉所得として(且つ、日本滞在日数も含め)申告します。所謂、勤務地主義を重視した対応となります[iv]。(尚、日本で較差補填などの支給が発生している場合は、「日中租税条約」(第152項:短期滞在者免税)の適用除外となりますので日本で当該支給分に対し、国内源泉所得の課税(収入額に対し20.42%の課税)が生じますのでご留意下さい。)

 

■ ケース2:中国現地法人勤務(専任)→日本本社業務を兼任→中国現地法人勤務(専任) 

 

16

79

10月‐12

備考

居住地

日本

日本

中国

中国:

非居住者

日本:

非居住者

給与支払

現法

本社兼務

(本社業務分)

中国

中国

日本

中国

納税

義務

中国

中国にて課税

中国払いに課税

中国にて課税

 

日本

日本払いに課税

【留意事項】日本において支給された日本兼務分の給与は非居住者として税率20.42%で課税される。この課税は、日本・中国共に非居住者となる為、日中双方で外国税額控除の適用は不可となります。

 

但し、79月については、日本側は辞令の交付、中国側は労働契約の変更等により、支払い給与金額や業務内容の明確化を行ったとしても、実態判断との観点からは日本払い・中国払いの双方において税務リスクが生じる点には、くれぐれもご留意ください。

 

■ ケース3:中国現地法人勤務(専任)→7月以降、日本本社へ帰任・勤務 

 

16

712

備考

居住地

日本

日本

中国:非居住者

日本:6月以降、居住者

給与支払

現法

本社勤務

中国

日本

納税

義務

中国

中国にて課税

 

日本

日本にて課税

【留意事項】・16月に、日本において兼務部分の支払いなどが発生する場合は、非居住者として税率20.42%で課税される。当該期間分は日本・中国共に非居住者となる為、2重課税が発生しても外国税額控除の適用は不可となります。
7月以降は日本の居住者として全世界所得に対し課税され、年末調整の対象期間は帰任後から12月末までです。

尚、ケース3において、駐在員家賃など各種費用の現地法人負担についても留意が必要です。すなわち、駐在員が一時帰国後そのまま日本に帰任し、(コロナ収束後に再入国し)住居の解約・荷物の運び出し等を行うまでの期間、現地法人による労働契約関係のない個人に対する費用負担額は企業所得税法上損金不算入となりますのでご留意ください[v]

 



[i] JPマイツ通信及び後述の上海マイツ通信を含む、過去のニュースレター(各マイツ通信ほか)は下記URLの通り。

URL:http://www.myts.co.jp/newsletter/index.html  

[iii] 本稿の駐在員は、全て日本の役員を兼務していない前提としている(尚、非居住者の役員に支給する報酬は日本の国内源泉所得となる)

[iv] 勤務地主義に加えて、「非居住者及び住所の無い居住者の個人所得税政策の関連問題に関する回答」の“住所のない個人(高級管理職を含まない)が取得する賃金給与所得はどのように国内所得と国外所得に分けるのか?”等を根拠とした。詳細は下記URLの通り。

  URLhttp://www.chinatax.gov.cn/n810356/n3255681/c4245259/content.html 

[v] 「企業所得税法実施条例」(第27条、第 34 条)等を参照のこと。原文は下記URLの通り。
  URLhttp://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810765/n812176/n812748/c1193046/content.html 

 

 

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